サバイバル講座:マイクロビジネスのすゝめ 1
20/5/2026
2010年から本格稼働を開始したAadhaar(アーダール)は、インド版マイナンバー制度で、国民監視制度につながりやすい、などの欠点は共通しているが、2016年に稼働を始めた日本のマイナンバー制度との主な違いは、マイナンバー制度が目指したものと比べて、マイクロ決済の機能を持っていることでした。
いきなり余計なことを書くと、発言から計画指揮者の河野太郎さんが、どうも要件定義書や画面仕様書、遷移表など、発注者側が開発側に自分の意図を伝えるための伝達言語にあたる概念そのものを理解しようとしない人に見えたので、「これは開発として危ないでしね」と思って、もともと独立システムとして各国に輸出できるMOSIP( Modular Open Source Identity Platform )として開発されたAadhaarを日本の都合に書き換えて使わせてもらう許可をインド政府からもらうのは簡単だから、あれを使ったほうがいいのではないか、と「どうせ耳を貸してくれる人なんていやしないよね」と思いつつも、何度か言ってみたが、案の定というかなんというか
「日本は先進国なのでインドのような後進国のシステムは適応できません」
「こういうものは自主開発するからこそ意味があるので、他国の仕様を盗んできては、いったいなんのための国家事業なのか」
「日本は、いざとなれば底力が出る国だからご心配には及びません。
NHKのアーカイブで『プロジェクトX』というドキュメンタリーシリーズがありますから、それを観て、もっと勉強してください」というよな親切を極める反論が返ってきただけで、それに続いて、例の攻撃性オバケのようなひとびとが個人攻撃の気配を見せ始めたので、めんどくさくなってやめてしまった。
日本政府は湯水のようにオカネを使うお大尽自己陶酔感覚が大好きなオカネモチ政府なので、Aadhaarの機能の一部を担うだけの「マイナンバーシステム」に、最後に見た時点で、Aadhaarの6倍の金額を費やして、未完成で、あのあと、どうなったのか、消息は知りません。
まさか、たったあれだけの機能のシステムを日本の技術力で作れないわけはないので、無事稼働しているのに違いないが、判っているほう、インドから輸出されたMOSIPシステムの採用国は、あっというまに広がって、
フィリピン
スリランカ
カンボジア
トンガ
ペルー
メキシコ
ベリーズ
トリニダード・トバゴ
ボリビア
エチオピア
モロッコ
ギニア
ニジェール
シエラレオネ
ブルキナファソ
マダガスカル
トーゴ
ウガンダ
コンゴ
ザンビア
ナイジェリア
ガンビア
コートジボワール
ベナン
サントメ・プリンシペ
レソト
セネガル
えーと、いくつあるんだろう?
数えるのもめんどくさいくらいの多くの国で採用されて恙(つつが)なく稼働している。
なるほど、ビンボ国ばかりで、日本の人が、ビンボ人と同列におかれることを潔しとしないわけだが、ビンボ国ばかりなのは、「だって開発するカネがないんだもん」という事情とは別に、重大な理由があって、Aadhaarにはビンボ人がビンボを出て行くための脱出口となるマイクロ決済機能が付いているのです。
バングラデシュの経済学者ムハマド・ユヌスが自己のマイクロクレジット理論に基づいて、資本へのアクセスを奪われているビンボ人たちのためにグラミン銀行を設立したのは1983年のことでした。
ユヌスのおっちゃんと人の紹介で面会したときに、「わっしとグラミン銀行は同じ年齢なんでがす」と述べたのをおぼえているので、間違いないと思われる。
(どういう根拠なんだか)
おっちゃんは2006年には、革新的な貧困脱出モデルが評価されてノーベル賞を受賞しています。
日本にもやってきたことがあって、外国人特派員協会での講演と質疑応答では、欧州記者たちの予習を重ねたことが明らかな真剣な質問のあとで日本の某全国紙新聞記者に半笑いで「イラン・イラク戦争をどう思いますか?」と質問されて、あまりのことに絶句していたりした。
本人も判っているとおり、マイクロクレジットには、無担保でオカネを借りられるというメリットゆえに借金で、返って、自分の首をしめてしまう人や、非常に多い例として、夫が奥さんやガールフレンドの名前で、融資を受けて、賭博や買春に蕩尽してしまう事例があって、解決できていない欠点もたくさんあるが、大事なのは「人情」で結びついた「講」のような鬱陶しいという言葉だけではすまない「近すぎる」コミュニティとは無関係の金融主体からの金融を獲得したことによって救われた膨大な数の「元ビンボ人」、実績からいうと特に多いのは離婚して無職の境涯に陥った女のひとたち、がいることで、このマイクロクレジットに端を発したマイクロ起業が、いかにビンボ人の味方でありうるかは、実証ずみというか実証の厚塗りずみというか、実証舗装済みというか、ズミズミ済みで、経済が衰退して、素晴らしい英語で書かれている上に、めっちゃ面白いDecline and Fall(by Evelyn Waugh)の邦訳につけられた傑作日本語タイトル「大転落」そのまんまの衰退の途上にある日本に住む人にとって、極めて有効なサバイバルツールであることは明らかです。
だからほんとうは日本政府も鷹揚に、まあ、おひとつ、で「補助金」「交付金」攻勢に出て、消費者よりも、それを最終的に手にする大企業をウハウハさせるのも良いが、マイクロ経済政策を、せめてマイナンバーカードシステムにマイクロ決済システムを付加して、いろいろに採り入れたほうが良いに決まっている。
日本の人の、国民としての特徴は、聡明で、やる気さえだせば唖然とするような賢さを発揮することなので、政府の役割などは楽なもので、「頑張ってもらう」環境と唱えればいいだけで、笛吹けど誰も働かず、くすぐったり、にんじんで釣っても、金輪際働かない人間が山ほどいる、通常の国に比べれば、楽ちんなどというものではない。
楽チンチンで、チンチンがフリフリで、….あとは自粛します。
まことに申し訳ありませんでした。


