政治と言葉 1 台湾有事を日本の危機にしたひと言
20/7/2026
ここのところ、ふたり続けて台湾系の友達で、「日本は大丈夫なのか?」と訊ねる人と会ったので、普段はあんまり、いまさら日本語で書いたって仕方がない、と思っている「台湾有事問題」について、メモ程度でも書いておこうと思いました。
ここ数年、台湾のひとびとの自国の運命についての意見がおおきく変わったのは、ほぼ誰でも知っていることで、ついこのあいだまで、
「中国が実際に併合に動くなんて、ありえない」と述べていた同じ人が、
「相当、やばいわ。娘を出してあるシドニーか、次男がいるバンクーバーに移住する計画実行に入ってるよ」と言う。
「あり得ないこと」が「織り込み済みの近い未来」になるまで、この人の場合、たった5年で、柔軟とも言えるし、ほんと、おっさん、ええかげんやな、とも思わなくもない。
もっとも本人からすると、「現実に対しては対処する以外、対応のしようがないんだから、他にどうしろというの」で、特に、「自分の決断で選択した」という気持ちもなくて、「まずサバイバル。考えるのは、それから」という文明人の自動航行装置に従っているだけだよ、ということなのでしょう。
台湾大衆レベルまで「こりゃ、やばいか知れんな」が降りてきているのは
中国人民解放軍の台湾侵攻に伴う台湾社会の内部崩壊をテーマにした「零日攻撃(れいじつこうげき)/Zero Day Attack」が政治スリラーテレビドラマとして、おおきな話題になったことからも判るでしょう。
台湾・韓国・日本は、この順に出生率が低いことに悩んでいます。
日本ではリベラルの文法に順って、「世界最悪の出生率」のように言われることがあるようだが、日本の合計特殊出生率1.2に対して台湾は0.695で、
出生率が一種の「絶望指数」であるとすれば、台湾のひとびとのほうが、日本の人たちよりも自国の将来に希望を持っていない。


