2026年7月16日の日記
16/7/2026
1
ここ数週間「朝の用事」が続いている。
ヨット/ボートの点検整備が続いていたからで、マリンサービスの会社に頼んだり、なにしろそういうことは大好きなので、自分でも直せるものは直したりして、毎日マリーナへ通っていた。
日本語はサブスタックに場所を変えて以来、専ら朝の「いの一番」に書くことにしていて、「朝、起きて新しい記事が着いているのを楽しみにして読んでいます」という人もいて、書き手と読み手の習慣として素晴らしいとおもうが、特にこの数日は、その時程にやや狂いが生じていて、申し訳ない、
すまんすまんと思っています。
船は、なにしろ海水の真っ只中にいつも船底が浸かっているわけで、
ほっておけばボロボロになります。
むかし、鎌倉に家を買おうとおもったときに、鎌倉山の家を案内してくれた不動産屋が、「鎌倉山は海側はやめたほうがいいですよ。クルマも家の設備もあっというまにボロボロになりますから」と述べていたが、ヨットなどは、それどころか、海の上に浮いていて、あまつさえ、吹きさらしで、シオシオで、潮風に当たりっぱなしなので、年がら年中、いろいろなものが壊れている。
そのうえ、船底にいろいろなものがくっつくので、二年に一回は、アンチファウリングといって、日本語ではいま見たら「防汚塗装」というのだそうだが、特にFRP(グラスファイバー)製の船はオスモーシスというFRPのチョーおっかない病気にかかるので、アンチファウリングを怠ると、もんのすごいオカネがかかることになります。
しかも!
ニュージーランドは、「世界でいちばん紫外線が強い国」だとかで、
実際、生活していると判るが、紫外線というよりも「宇宙線」と述べたほうが実感に近い強烈さで、マクドナルドなどは、あっというまに赤がくすんで、御代田の昭和スナックみたいな色になって、ひなびてしまうスペースパワーで、例えばプラスチック製の洗濯ばさみなどは、半年しないうちにパキパキ折れるようになります。
船体に使われている材料でも、大気汚染本舗の欧州製ヨットなどは、空気がきったないので、紫外線が弱くて、心配していなくて、マホガニーやチークを使いまくるので、今年も、チーク製のハンドレールをつかんで、船外から身体をスイングさせてトランザムから船内に跳び入ろうとして、取っ手が取れて、
後甲板に激しく叩きつけられて、モニさんから、
「ガメは、ほんとうに懲りないな。学習能力がないのか」と温かい労りの言葉をいただいたりしていた。
アンカーライトは点かなくなる
レーダーは止まる
ハッチの枠が浮く
紫外線と塩との果てしない戦いの日々が海の生活の一面で、
将来、ヨットを買いたいと考えているひとのために、「ガメの知恵袋」で、生活の知恵をひとつ付け加えておくと、艇体の価格の1割に当たる金額が、その船を維持するための年間コストである、という目安です。
「ボートを買うことはオカネバケツに穴を開けることである」という。
オカネについて賢い人は、だからボートを買わないんですね、これが。
ともかく
浮きドックを予約して、マリーナのバースからボートを出して、定刻に、といってもNZの「定刻」なので、±30分だが、一応、それらしい時間に浮きドックまで航行して、陸揚げする。
浮きドック、見たことがありますか?
最も一般的なのはでっかいベルトが二本三本と渡してあって、件の大股開き式クレーンで、ぎゃぎゃぎゃあああーんと持ち上げます。
70フィート船くらいまでは、これで揚げられる。
わしが好きなやつは、当然、もっと頭がいかれた人がつくった、ほとんどシュルレアリスムの「愛情を吹き込む機械」のように複雑怪奇なシステムの圧搾空気で駆動する浮きドックで、これはでっかいコンプレッサーでボートではなくドックのほうが沈降するすごいシステムで、予約が空いていれば、こっちのほうが全然面白いので、愛用している。
海や船の話は退屈だという人も多いので、このくらいにしておくが、
要は、ここ数日は、そういう「海との秘密の生活」に耽っていたので、
なかなか日本語に沈潜して乳繰り合う、…じゃないや、戯れ合う時間が持てなかった、という言い訳を書いている。
もうすぐ、普段の生活に戻れます。
あと二隻。
2
文人生活を楽しんでいたテキトーおっちゃんポール・クルーグマンが自らの知性に押されて、だんだん反トランプの姿勢を強硬にしてきていることは、英語世界では、ここ1年ほどの話題になっている。


