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ガメ・オベール JamesJames
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多文化社会 食べ物編 1

多文化社会 食べ物編 1

16/7/2025

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ガメ・オベール JamesJames
Jul 15, 2025
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多文化社会 食べ物編 1
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最近、葱油拌面に凝っている。

そのうち、自分でつくってみようと思っているが、一般に中華料理は、工程が複雑で、Twice Cooked Pork(←回鍋肉のこと)で、複雑さを省略して簡単なステップでつくると効果覿面、味の深みが失われて、がっかりするので、思い出してみても、中華は外で食べるに限る、とおもう。

おもう、だけでは味の深みの欠落に対する「がっかり」が表現されないので、工程を省略せずに、表現すると、感懾(かんしょう)して、感涙盈眶に至るのであって、ははは、日本語は表現力が豊かな言語で、中華料理みたいですのい。

あるとき、ちっこい中華料理店で、日本式焼き餃子(←流行っている)を注文して厨房が見えるので、「冷凍餃子」じゃないよね、と眈々(たんたん)と目を光らせて観察していると、驚くべし、おばちゃんがやおら餃子のタネを目の前でつくっている皮でくるみだして、まず蒸して、それからおもむろに鉄板で焼いている。

食べてみると、ひょえええーなおいしさで、しかも、日参するうちに、

注文するときに言えば、スープゼリーを一緒にくるんで、ちょうど小籠包のように、口のなかでスープがジュッと出る、あっちっち美味オプションもあるのだった。

ぶあいそだけど親切な中華文化で、$1追加、なんてケチなことは言いません。

いちど日本の人がやっている丼店(←これも、ラーメン店とおなじくらい流行っている)に行って、レストランガイド雑誌で見ておいしそうだった、カツカレーを頼んで、とんかつだけ、煮え切らない課長のようにはっきりしない味の日本式カレーソースではなくて、とんかつソースで食べたかったので、ソースもください、とお願いしたら、若い女の人が、えええー、と、小首を傾げている。

日本にいたときを含めても、とんかつソースごときをお願いして、クビをかしげて思案されたのは初めてです。

「ちょっと、お待ちください」と日本語ならば言う感じで、実際には無言で、厨房にとって返すと、

「マスター、あのガイジンのお客さん、ソースが欲しいんだそうですけど!」と呼ばわる。聞こえてるぞ、わし、そのくらいの日本語はわかるねんぞ。

一心不乱に、忙しく手を動かして鍋をかいていた「マスター」は、

ちらと、こちらを見て、「二ドルね」と言う。

ここはNZやで、ガイジンは、あんたやん、と思わなくも無かったが、日本料理店のなかは文化的治外法権と決まっているので、まあ、いいとして、

小皿にチョロッととんかつソースを載せて、「2ドル」とは何事であるか。

カスタマー・ファーストという言葉を知らんのか、と、まさか怒りはしないものの、やや呆れる気持ちで、二度とその店に行くことはなかった。

このあいだ前を通りかかったら、無くなっていたので、

やっぱりニュージーランドと相性が悪かったかなあ、と思いました。

ここでも中華料理的手順を踏むと、

感慕故店,不勝哀感。

と述べることができるが、

すみません。

いい加減にします。

漢字が好きなので、つい。

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