リトル・シーザーズ、というピザチェーンがある。
案外おおきいチェーンで、ピザ・ハット、ドミノ・ピザに次ぐ、全米第三位で、国内で4203店舗を展開している。
ハワイ島で長年天文台に勤務している、チューリッヒ時代からの友達、もじんどんが「行ってみようかな」と述べていたので、ハワイ島にもあるのでしょう。
デトロイトピザ、というが、写真を見ると、「ディープディッシュピザ」で、チーズの食べ過ぎで死ななくてもすむように工夫されたシカゴピザ、と見なせなくもない。
おいしいかどうかは、行ったことがないので知りません。
連合王国には2000年、オーストラリアには2017年に進出しようとしたが、失敗して、ニュージーランドにいたっては、名前を聞いたこともない人のほうが多いでしょう。
どちらかといえば、北米ローカルなピザチェーンで、そこが上位2社との違いであるらしい。
創業者はマイク・イリッチというマケドニア移民で、MLBファンの人なら、
デトロイト(タイガース)の二塁手、といえば、ああ、あの人、と名前くらいは知っているかもしれません。
2017年2月10日に87歳で亡くなりますが、死後、公民権運動の支援で知られる弁護士グレゴリー・リードという、実業家マイク・イリッチとはなんの関連もなさそうな意外な人物から小さな発表が行われます。
1955年12月1日、ひとりの黒人女性がアラバマ州モンゴメリーで、いつものように、バスに乗り込む。バスの後ろに並ぶ黒人席の最前列に腰掛けます。
当時の習慣として、黒人たちは黒人席というルールがあっただけではなく、
白人席が混んできて、立ったまま乗らなければならない白人客が出ると、
運転手は、前列から黒人たちを立たせて、白人席に変更していくことになっていた。
バスの運転手だったジャームズ・ブレークは当然のように黒人たちに命じて席を立たせ、白人たちに席を譲るように命じます。
ところが、居合わせた乗客たちが呆気にとられたことには、このアフリカン・アメリカンの女の人は、まっすぐに「立って席を譲ってください」と述べる運転手に、「NO」と言った。
周りの白人たちは、白昼堂々と法律を破って、素知らぬ顔で白人席に腰掛けつづけて、あまつさえ運転手が業を煮やして「ここは白人専用席だから、あなたは、向こうに行かなければダメだ」と言われても、いっこうに動こうともしないこの黒人女性の無礼に怒りをかき立てられて騒然となってゆく。
黒人やアジア人の有色人が、レストランにしろ、公衆トイレにしろ、もちろんバスのような公共交通機関にしろ、「白人席」に座ることは当時は違法行為で、この女性ローザ・パークスは当然に、逮捕されてしまう。
このとき「なぜ、わたしを逮捕するのか」
(“Why do you push us around?”)と述べたパークスに、警官は、
“I don’t know, but the law is the law, and you’re under arrest.”
「知らない。だが法は法だ、あんたを逮捕する」と告げたそうです。
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