小島(しょうとう)を目指す
24/2/2026
自分は、もう、この世界を愛してはいないのではないかとおもうことがある。
空を見上げて雲に見とれたり、海のまんなかで、甲板に、大の字に寝そべったりしても、世界が感じられない。
どこか、気持ちが遠くにあるように感じられる。
すべての言語は喧噪に過ぎないように思われて、海にでているのに、音のない世界が静かですらない午後がある。
荒々しい海が好きだ、という詩人は、十中八九、陸(おか)にしか立つことがない人間である。
海に出てゆく人間で、荒れた海が好きだという人は、ひとりもない。
幸福を求めるなんてくだらない人間だ、と芸術家を気取る小説家とSNSで言葉を交わしたことがあるが、それは世の中に出ていかない人間で、
自分で組み立てた小さなプロットの箱庭に住んで、そこから一歩も出ないからであることに、その人は気付いていなかった。
時に…


